テスタは、完成した半導体チップに信号を入れ、設計どおりに正しく動くかを高速で検査する装置です。出荷前の最終関門にあたります。この分野は日本のアドバンテストと米Teradyneの2強で、AI半導体の需要で急成長しています。

「後工程装置とディスコ」で、チップを切り出し組み立てる工程を見ました。組み立てたチップは、最後に「本当に動くか」を試さなければ出荷できません。それを担うのがテスタです。装置シリーズの最終回として扱います。製造工程の全体像は「半導体まとめ・入門ロードマップ」で振り返れます。

この記事で動かせる図解

  1. 01日本の装置メーカー × 工程マップアドバンテストが担う「検査(テスト)」の位置づけを確認
ひとことで言うと(初心者向け)

テスタは、完成したチップが設計どおりに正しく動くかを試す装置です。出荷前の最終関門にあたります。この分野は日本のアドバンテストと米Teradyneの2強で、特にAI半導体の検査で需要が急増しています。

構造で言うと(投資家向け)も見る
構造で言うと(投資家向け)

テスタはAdvantestとTeradyneの2強。AI・HBMの性能テスト需要で急成長し、アドバンテストは2026年3月期 売上約1.13兆円(前年比+44.7%)。1チップあたりのテスト時間・項目が増えるほど需要が伸びる構造です。

テスタとは何か、製造中の検査と何が違うのか

テスタ(ATE:Automatic Test Equipment)は、完成したチップに実際に電気を流し、機能が正しく動くかを確かめる装置です。良品だけが製品として出荷されます。

ここで混同しやすいのが、「検査・計測装置とKLA」で扱った検査との違いです。KLAなどのプロセスコントロールは「製造の途中で、ウェハーに欠陥がないか」を調べます。一方テスタは「完成したチップが、実際に動くか」を確かめます。前者は作り方の検査、後者は製品の動作確認です。下のマップで、アドバンテストが担う「検査(テスト)」の位置づけを確認できます。

日本の装置メーカー × 担当する工程(クリック)

各社が、半導体の作り方のどの工程を握っているかが分かります。

前工程(成膜・洗浄など)

東京エレクトロン

主な装置
コータ/デベロッパ・成膜・エッチング・洗浄装置
世界での地位
製造装置で世界3〜4位。塗布・現像(コータ/デベロッパ)は世界約9割
売上
2025年3月期 売上 約2.43兆円(過去最高)

露光装置は作らないが、前工程の多くの工程を幅広くカバー

出典: Tokyo Electron(IR)(2025-05)
日本の世界シェア
半導体製造装置(世界シェア)
約30%(米国に次ぐ世界2位)
塗布・現像材料
約88%
シリコンウェーハ
約53%
フォトレジスト
約50%

出典: 米商務省 trade.gov「Japan – Semiconductors」。シェアは品目・年・出典で変動します。

なぜアドバンテストが急成長しているのか

アドバンテストは米Teradyneと2強を形成し、高性能テスタでは両社で大半を占めます。近年急成長している理由は、AI半導体と(広帯域メモリ)にあります。これらは性能テストの項目と時間が大きく増えるため、テスタの需要が急増しているのです。アドバンテストの2026年3月期の売上は約1.13兆円で、前年比+44.7%という高成長でした(Advantest)。

テスタは「1チップあたりのテストにどれだけ時間と項目がかかるか」で需要が決まります。そのため、AI半導体のように複雑で高価なチップほど、入念なテストが必要になり、テスタの価値が高まります。

投資・市場の観点では何が重要か

テスタは、AI・HBMの生産量とテストの複雑さに連動します。半導体製造装置市場全体(2024年は総額約1,090億ドル、SEMI)の中で、テスト分野はAI需要を最も直接的に受ける領域の一つです。アドバンテストを見るときは、AI・HBM向けの受注動向と、テスト時間の長期化トレンドが要点になります。なお本記事は投資助言ではありません。これで製造装置シリーズは一区切りです。全体像は「半導体は日本の装置がなければ作れない」や「半導体産業はどう動くのか」で振り返れます(SEMI)。

この記事のまとめ

  • テスタ(ATE)は、完成チップが設計どおり動くかを検査する装置。出荷前の最終関門。
  • KLAなどの製造中の検査(プロセスコントロール)に対し、テスタは完成品の『動作確認』を担う。
  • テスタは日本のアドバンテストと米Teradyneの2強。高性能テスタでは両社で大半を占める。
  • AI・HBMの性能テスト需要が急増し、アドバンテストは2026年3月期 売上約1.13兆円(前年比+44.7%)。
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よくある質問(FAQ)

Q.テスタ(ATE)とは何ですか?+

完成した半導体チップに信号を入れ、設計どおりに正しく動くかを高速で検査する装置です。ATE(Automatic Test Equipment)とも呼ばれ、出荷前の最終関門にあたります。良品だけが製品として出荷されます。

Q.KLAの検査とテスタは何が違うのですか?+

KLAなどのプロセスコントロールは、製造の途中でウェハーに欠陥や寸法のズレがないかを調べます。一方テスタは、完成したチップに実際に電気を流し、機能が正しく動くかを確かめます。前者は『作り方の検査』、後者は『製品の動作確認』です。

Q.アドバンテストはなぜ急成長しているのですか?+

AI半導体やHBM(広帯域メモリ)は性能テストの項目と時間が増えるため、テスタの需要が急増しています。アドバンテストは米Teradyneと2強を形成し、2026年3月期の売上は約1.13兆円(前年比+44.7%)に達しました。

用語集

HBM/ High Bandwidth Memory
DRAMを積み重ねて広帯域にした高性能メモリ。AI半導体とセットで使われる。
後工程(OSAT)/ back-end / OSAT
ウェハーから切り出したチップを検査・組み立て・パッケージする工程。
歩留まり/ yield ヨミ:ぶどまり
1枚のウェハーから取れるチップのうち、欠陥のない良品の割合。
パッケージング(先端パッケージング)/ advanced packaging
切り出したチップを基板に載せ、配線し、保護する工程。複数のチップを高密度につなぐ先端版もある。

参考資料・引用元

  1. アドバンテスト 決算ハイライト(FY2025)一次情報
    Advantest(IR)(2026-04)— 使用箇所: アドバンテスト 2026年3月期 売上約1.13兆円(+44.7%)・テスタ事業
    https://www.advantest.com/en/investors/financial-highlights/review/
  2. Global Total Semiconductor Equipment Sales Forecast to Reach Record $109 Billion in 2024業界団体
    SEMI(2024)— 使用箇所: 2024年 前工程装置(WFE)約1,010億ドル・総装置約1,090億ドル(過去最高)
    https://www.semi.org/en/semi-press-releases/global-total-semiconductor-equipment-sales-forecast-to-reach-record

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