検査・計測は、ウェハーの欠陥や寸法のズレを調べ、不良を早く見つけて歩留まりを守る工程です。どれだけ精密に作っても、欠陥を見つけられなければ良品は増えません。この分野は米KLAが圧倒的に強い「歩留まりの番人」です。

これまでの記事で、露光・成膜・エッチングなど各工程の装置を見てきました。それらの工程の「あいだ」で、ちゃんと作れているかを確かめるのが検査・計測です。地味ですが、最も利益に直結する工程の一つです。各装置の位置づけを俯瞰したいときは「半導体まとめ・入門ロードマップ」を参照してください。

この記事で動かせる図解

  1. 01歩留まりシミュレーターウェハーから良品が取れる割合を動かして、検査の重要性を体感
ひとことで言うと(初心者向け)

検査・計測は、ウェハーに欠陥がないか、寸法が正しいかを調べる工程です。一粒の欠陥が不良につながるため、各工程の後に検査します。この分野は米KLAが圧倒的に強いです。

構造で言うと(投資家向け)も見る
構造で言うと(投資家向け)

KLAはプロセスコントロール(検査・計測)で世界を支配し、シェア約50〜60%とされる。2024年6月期 売上約98億ドル、うち89%が同事業。歩留まり改善に直結するため需要が底堅く、粗利約60%と高収益です。

なぜ検査・計測が利益に直結するのか

理由は、(良品率)が半導体の利益を直接決めるからです。下のシミュレーターで歩留まりを動かすと、良品の数が大きく変わるのが分かります。欠陥を早く見つけられれば、不良が大量に出る前に工程を直せます。

図解を読み込み中…

検査・計測は、欠陥検査(ゴミや傷を探す)、計測(線の幅やズレを測る)、レチクル検査(マスクの欠陥を調べる)などの総称で、各工程の後に行われます。最先端になるほど欠陥の影響が大きくなるため、検査の価値はいっそう高まります。

なぜKLAが圧倒的に強いのか

米KLAは、欠陥検査・計測・レチクル検査を幅広く手がけ、プロセスコントロール市場で約50〜60%とされる圧倒的なシェアを持ちます。歩留まりを守るという役割は代替が効きにくく、顧客との結びつきも強いため、高い利益率を維持しています。2024年6月期の売上は約98億ドルで、そのうち89%がプロセスコントロール事業でした(KLA)。

露光のASML、検査のKLAのように、半導体バリューチェーンでは「代替の効かない工程」に価値が集中します。この構造は「半導体産業はどう動くのか」で詳しく扱っています。

投資・市場の観点では何が重要か

検査・計測は歩留まり改善に直結するため、設備投資の中でも比較的底堅い分野です。さらに微細化が進むほど欠陥を見つける難易度が上がり、検査装置の価値は高まります。2024年の前工程装置市場は約1,010億ドルで過去最高でした(SEMI)。KLAを見るときは、プロセスコントロールの高いシェアと利益率、そして先端投資の動向が要点です。なお本記事は投資助言ではありません(SEMI)。

この記事のまとめ

  • 検査・計測(プロセスコントロール)は、欠陥検査・寸法計測・マスク検査などで歩留まりを守る工程。
  • 歩留まりは利益を直接決めるため、欠陥を早く見つける検査は『お金を守る番人』として最先端ほど重要。
  • 米KLAがプロセスコントロールで世界を支配し、シェア約50〜60%とされる。2024年6月期 売上約98億ドル、89%が同事業。
  • 歩留まり改善に直結するため需要が底堅く、KLAは高い利益率(粗利約60%)を持つ。
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よくある質問(FAQ)

Q.検査・計測(プロセスコントロール)とは何ですか?+

ウェハーに欠陥がないか調べる「欠陥検査」、線の幅やズレを測る「計測」、マスクの欠陥を調べる「レチクル検査」などの総称です。各工程の後に行い、問題を早く見つけて歩留まり(良品率)を守ります。

Q.なぜ検査がそれほど重要なのですか?+

歩留まりは半導体の利益を直接決めます。欠陥を早く見つけられれば、不良が大量に出る前に工程を直せます。検査・計測は『歩留まりというお金を守る番人』であり、最先端ほど価値が高まります。

Q.KLAはなぜ強いのですか?+

KLAは欠陥検査・計測・レチクル検査を幅広く手がけ、プロセスコントロール市場でシェア約50〜60%とされる圧倒的な存在です。2024年6月期の売上は約98億ドルで、そのうち89%がプロセスコントロール事業でした。

用語集

歩留まり/ yield ヨミ:ぶどまり
1枚のウェハーから取れるチップのうち、欠陥のない良品の割合。
ノード(プロセス)/ process node
製造プロセスの世代を表す呼び名(例:3nm)。小さいほど高性能・省電力になりやすい。
ウェハー/ wafer
半導体を作る土台となる円盤状のシリコン。ここに多数のチップをまとめて作る。
後工程(OSAT)/ back-end / OSAT
ウェハーから切り出したチップを検査・組み立て・パッケージする工程。

参考資料・引用元

  1. KLA Corporation Reports Fiscal 2024 Fourth Quarter and Full Year Results一次情報
    KLA(IR)(2024-07)— 使用箇所: KLA 2024年6月期 売上 約98億ドル・うちプロセスコントロール89%
    https://www.prnewswire.com/news-releases/kla-corporation-reports-fiscal-2024-fourth-quarter-results-and-full-year-results-302205684.html
  2. Global Total Semiconductor Equipment Sales Forecast to Reach Record $109 Billion in 2024業界団体
    SEMI(2024)— 使用箇所: 2024年 前工程装置(WFE)約1,010億ドル・総装置約1,090億ドル(過去最高)
    https://www.semi.org/en/semi-press-releases/global-total-semiconductor-equipment-sales-forecast-to-reach-record

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