TSMCの2026年8月の売上高は、約5,148億台湾ドル(前年同月比+53.3%)でした。月次で初めて5,000億台湾ドルを超え、5月から4か月連続で過去最高を更新しています(TSMC・2026年9月10日)。

TSMCは他社の設計を受託製造するです。AI向けの最先端チップをほぼ一手に引き受けるため、月次売上はAI需要の勢いを映す速報値になります。

同社は毎月10日前後に前月の売上高を公表します。この記事では、2026年9月10日に出た8月分の数字を、2026年9月30日時点の情報で整理します。9月分はまだ発表されていません。

ひとことで言うと(初心者向け)

世界の最先端チップの多くを作る台湾のTSMCが、8月1か月だけで約5,148億台湾ドルを売り上げました。1年前の同じ月より53%多く、1か月の売上として過去最高です。しかも5月から4か月続けて記録を塗り替えています。AI用のチップの注文が、それだけ絶えず入り続けているということです。

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構造で言うと(投資家向け)

2026年8月の売上高はNT$5,148億(前年同月比+53.3%・前月比+10.1%)、1〜8月累計はNT$3兆3,869億(前年の同じ期間より+39.3%)で、いずれもTSMC公式発表に基づく。月次は5月以降4か月連続で過去最高を更新。Q3ガイダンス(売上446〜458億ドル、為替前提1ドル=32台湾ドル)を台湾ドルに換算した編集部試算では、7〜8月の合計で通期予想の約67〜69%を消化済み。9月分は8月を下回ってもガイダンス内に収まる。次の確認点は10月10日前後の9月分と、10月中旬のQ3決算。

8月の売上高は何がどれだけ過去最高だったのか

TSMCの発表によると、2026年8月の連結売上高は約5,148億台湾ドルです。前月の7月から+10.1%、前年同月の2025年8月から+53.3%増えました(TSMC・2026年9月10日)。

1〜8月の累計は約3兆3,869億台湾ドルで、前年の同じ期間より+39.3%です。前年同期は約2兆4,320億台湾ドルでした。詳細な千台湾ドル単位の数値は米SECに提出された書類でも確認できます。なお2026年の数値は未監査です。

月別に並べると、増え方の加速がはっきり見えます。数値はいずれもTSMCの月次売上ページにあるものです。

月売上高(台湾ドル)前年同月比前月比
3月約4,152億+45.2%+30.7%
4月約4,107億+17.5%-1.1%
5月約4,170億+30.1%+1.5%
6月約4,427億+67.9%+6.2%
7月約4,676億+44.7%+5.6%
8月約5,148億+53.3%+10.1%

4月は3月を下回りましたが、5月は3月を上回り、そこから8月まで毎月記録を更新しています。これが「4か月連続の過去最高」の中身です。8月の前月比+10.1%は、5月以降で最も大きい伸びでした。

なぜ月次売上は伸び続けているのか

月次売上の発表文には、伸びの理由や製品別の内訳は書かれていません。理由を読み解く材料は、四半期決算にあります。

2026年Q2決算では、AIサーバーなどの高性能計算(HPC)向けが売上の66%を占めました。スマートフォン向けは22%です(TSMC・2026年7月16日)。同社の売上の主役は、すでにAIインフラ向けに移っています。

決算の詳しい数字は「TSMCは3か月で約3.3兆円を稼いだ」で解説しています。つまり8月の月次売上は、この構造が7〜9月期も続いていることを示す速報値です。ただし、8月分だけから製品別の寄与は特定できません。

あわせて、TSMCが先端チップの製造技術全般で値上げを通告したと報じられた点も背景にあります。ただしこれは報道ベースであり、8月売上にどれだけ効いたかは確認できていません。経緯は「AppleもNVIDIAも値上げを飲まされる」で扱っています。

7〜9月期ガイダンスと8月の数字はどう関係するのか

TSMCは7月、7〜9月期(Q3)の売上高を446億〜458億ドルとする(会社の事前見通し)を示しました。前提の為替レートは1ドル=32台湾ドルです(TSMC・2026年7月16日)。

ここからは、公式発表を使った編集部の試算です。為替前提の32を掛けると、Q3の見通しは約1兆4,272億〜1兆4,656億台湾ドルになります。7月と8月の売上高の合計は約9,824億台湾ドルで、その約67〜69%にあたります。

すると9月分がガイダンスに収まる水準は、約4,450億〜4,830億台湾ドルです。8月の約5,148億台湾ドルより低い数字でも、見通しの範囲内になります。実際の為替レートは前提と異なるため、この試算は目安にとどまります。

したがって、9月分が8月より減っても、それだけで需要の失速とは言えません。9月分の発表は10月10日前後が例年の時期です。2026年9月30日時点では未発表のため、この記事では予測を置きません。

月次売上で確認できないことは何か

月次売上は売上高だけを示します。利益の厚みを示すや、海外工場のコスト、工場への投資の進み具合は、四半期決算まで分かりません。

Q3ガイダンスでは、粗利率が65〜67%とQ2実績より低い水準に置かれています。売上が伸びても利益率が伴うかは、10月中旬のQ3決算で確認する項目です。

そのほか、報道で見かける「連続で前年を上回った月数」や、増産がAI需要に追いついていないという評価は、今回の公式発表では確認できていません。本記事では採用していません。

TSMCの立ち位置そのものを知りたい方は、「世界は、台湾の1社がなければスマホもAIも作れない」が入口になります。半導体の基本は「半導体とは、電気を「通す・通さない」を切り替えられる物質」から読めます。

この記事のまとめ

  • TSMCの2026年8月の売上高は約5,148億台湾ドルで、前年同月比+53.3%・前月比+10.1%。月次で初めて5,000億台湾ドルを超えた(2026年9月10日発表)。
  • 月次売上は5月から8月まで4か月連続で過去最高を更新した。5月4,170億→6月4,427億→7月4,676億→8月5,148億台湾ドルと推移している。
  • 1〜8月の累計は約3兆3,869億台湾ドルで、前年の同じ期間より+39.3%。
  • 7〜8月の合計は、Q3ガイダンス(為替1ドル=32台湾ドル)を台湾ドルに換算した水準の約67〜69%に達した(編集部試算)。9月分は8月を下回っても、ガイダンス内に収まる。
  • 9月分の月次売上は2026年9月30日時点で未発表。2026年の数値は未監査で、確定値は10月中旬のQ3決算で示される。

この記事のまとめ

  • TSMCの2026年8月の売上高は約5,148億台湾ドルで、前年同月比+53.3%・前月比+10.1%。月次で初めて5,000億台湾ドルを超えた(2026年9月10日発表)。
  • 月次売上は5月から8月まで4か月連続で過去最高を更新した。5月4,170億→6月4,427億→7月4,676億→8月5,148億台湾ドルと推移している。
  • 1〜8月の累計は約3兆3,869億台湾ドルで、前年同期比+39.3%。
  • 7〜8月の合計は、Q3ガイダンス(為替1ドル=32台湾ドル)を台湾ドルに換算した水準の約67〜69%に達した(編集部試算)。9月分は8月を下回っても、ガイダンス内に収まる。
  • 9月分の月次売上は2026年9月30日時点で未発表。2026年の数値は未監査で、確定値は10月中旬のQ3決算で示される。
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よくある質問(FAQ)

Q.TSMCの2026年8月の売上高はいくらですか?+

TSMCの2026年8月の連結売上高は約5,148億台湾ドルで、前月(7月)比+10.1%、前年同月(2025年8月)比+53.3%です。TSMCが2026年9月10日に発表しました。単月で5,000億台湾ドルを超えたのは、2026年1〜8月の月次データでこの8月が初めてです。

Q.月次売上高が「過去最高」を更新し続けているのはなぜですか?+

AIサーバー向けの先端チップの注文が、TSMCの製造能力を上回る勢いで続いているためです。TSMCの2026年Q2決算では、AIサーバーなどの高性能計算(HPC)向けが売上の66%を占めました。月次売上は5月から8月まで4か月連続で過去最高を更新しています。ただし月次売上の発表文に、増加の理由や製品別の内訳は書かれていません。

Q.1〜8月の累計売上高はどれくらいですか?+

1〜8月の累計は約3兆3,869億台湾ドルで、前年同期比+39.3%です。2025年の同期間は約2兆4,320億台湾ドルでした。なお、2026年の数値は未監査であり、確定値は四半期決算で示されます。

Q.9月の売上高はいつ発表されますか?今回の数字はガイダンスと整合していますか?+

9月分の売上高は、例年どおりであれば10月10日前後に発表されます。2026年9月30日時点では未発表です。TSMCが7月に示した7〜9月期ガイダンス(446〜458億ドル、為替前提1ドル=32台湾ドル)にもとづく編集部の試算では、7〜8月の合計で通期予想の約67〜69%を消化済みです。9月分がガイダンス内に収まる水準は約4,450億〜4,830億台湾ドルで、8月より低い数字でも整合します。

用語集

ファウンドリ/ foundry
他社が設計した半導体を、受託して製造する工場。代表はTSMC。
ガイダンス(業績予想)/ guidance
会社が自ら発表する、次の四半期や通期の売上・利益の見通し。
粗利率(売上総利益率)/ gross margin
売上から原価(作るのにかかった費用)を引いた儲けが、売上に対して何%あるかを示す割合。

参考資料・引用元

  1. TSMC August 2026 Revenue Report一次情報
    TSMC(プレスリリース・一次情報)(2026-09-10)— 使用箇所: 2026年8月単月売上約NT$5,148億(前月比+10.1%・前年同月比+53.3%)・1〜8月累計NT$3兆3,868.7億(前年同期比+39.3%)
    https://pr.tsmc.com/english/news/3340
  2. TSMC Monthly Revenue 2026一次情報
    TSMC(IR・月次売上ページ・一次情報)(2026-09-10)— 使用箇所: 2026年1〜8月の月別売上(1月4,012.6億・2月3,176.6億・3月4,151.9億・4月4,107.3億・5月4,169.8億・6月4,426.8億・7月4,675.8億・8月5,148.1億、いずれもNT$)。5月以降4か月連続で月次売上の過去最高を更新したことを月別数値から確認。2026年の数値は未監査と注記
    https://investor.tsmc.com/english/monthly-revenue/2026
  3. TSMC Form 6-K(August 2026 revenue)一次情報
    TSMC/米SEC提出書類(一次情報)(2026-09-10)— 使用箇所: 8月売上NT$514,805,337千(2025年8月NT$335,771,691千)、1〜8月累計NT$3,386,869,575千(前年同期NT$2,431,982,931千)の千元単位の確定数値
    https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0001046179/000104617926000658/tsm-revenue20260910.htm
  4. TSMC Second Quarter Earnings Results 2026(2Q26決算リリース・経営報告資料)一次情報
    TSMC(IR・一次情報)(2026-07-16)— 使用箇所: 2Q26実績:売上NT$1兆2,703.8億(US$402.0億・前年比+33.7%/NT$+36.0%・前四半期比+12.0%)・純利益NT$7,065.6億(+77.4%・過去最高)・EPS NT$27.25(ADR $4.31)・粗利率67.7%/営業利益率60.3%/純利益率55.6%・実績為替31.60/プロセス別2nm 3%(初計上)・3nm 30%・5nm 33%・7nm 11%(先端77%)/HPC 66%(QoQ+20%)・スマホ22%(QoQ-4%)/Q3ガイダンス売上US$446〜458億・GM65〜67%・OM56〜58%(為替前提32)・CFO Wendell Huangの2nm「steep ramp-up」コメント
    https://investor.tsmc.com/english/quarterly-results/2026/q2
  5. TSMC June 2026 Revenue Report一次情報
    TSMC(プレスリリース・一次情報)(2026-07-13)— 使用箇所: 2026年6月単月売上NT$4,426.8億(前月比+6.2%・前年同月比+67.9%)・1〜6月累計NT$2兆4,044.8億(前年同期比+35.6%)
    https://pr.tsmc.com/english/news/3323

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