半導体というと「計算するチップ」を思い浮かべますが、それだけではありません。光を出す・受けるという、まったく別の役割を担う半導体があります。それが光半導体です。チップの基礎は「半導体とは何か」で確認しつつ、光のデバイスを見ていきます。
半導体には、計算するもののほかに『光を出す・受ける』ものがあります。それが光半導体です。電気を光に変えるのがLEDやレーザー、光を電気に変えるのがカメラのセンサ。スマホのライトやカメラ、光ファイバ通信、テレビのリモコンまで、光が関わるところで活躍しています。
構造で言うと(投資家向け)も見る
光半導体は発光(LED/LD)と受光(PD/イメージセンサ)に二分され、効率・波長制御のためSi以外の化合物半導体(GaN/GaAs/InP)が主役。データセンタの光トランシーバ、車載LiDAR、CMOSイメージセンサ(ソニー優位)、GaN/UVなど成長領域が複数。シリコンフォトニクスはこれら光機能をSi基板へ集積しI/Oボトルネックを解く隣接トレンド。
光半導体とは何か
光半導体とは、電気と光を相互に変換する半導体デバイスの総称です。大きく2種類に分かれます。
一つは、電気を光に変える「発光素子」です。照明やディスプレイに使うLED、光ファイバ通信やBlu-rayに使う半導体レーザーが代表です。もう一つは、光を電気に変える「受光素子」です。スマホやデジカメのイメージセンサ、光通信で信号を受け取るフォトダイオードがこれにあたります。計算や記憶を担う一般的なチップが「電気を操る」のに対し、光半導体は「光を操る」ことに特化しています(研究機関/媒体集計)。
光半導体はどこで使われているのか
光半導体は、気づかないだけで、身の回りのあらゆる場所で使われています。光を出したり受けたりする機器の、まさに心臓部です。
照明やテレビ・スマホのディスプレイのLED、スマホやデジカメで映像を捉えるイメージセンサ、リモコンの赤外線、Blu-rayやレーザープリンタのレーザー、そして車が周囲との距離を測るLiDAR——これらはすべて光半導体の働きによるものです。
とりわけ重要なのが、光通信です。光ファイバで世界を結ぶ通信網では、電気の信号を半導体レーザーで光に変えて送り、受け側の受光素子で再び電気に戻します。光ファイバの仕組みは「髪より細いガラスが世界中のデータを運んでいる」で詳しく扱っています。また、の中でも、機器間を光でつなぐために大量の光半導体が使われています。
なぜ光半導体はシリコンではないのか
意外なことに、光半導体の主役はシリコンではありません。理由は、シリコンが光を効率よく出せないためです。
シリコンは計算用のチップには理想的ですが、その物理的な性質上、電気を光に変えるのが非常に苦手です。そこで光半導体には、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)といった「化合物半導体」が主に使われます。これらは2種類以上の元素を組み合わせた半導体で、電気を光に変える効率が高いのが特徴です。
しかも、材料の組み合わせを変えることで、出す光の色(波長)を調整できます。青色LEDが窒化ガリウムで実現したように、化合物半導体は光の世界の主役です。同じ化合物半導体は、パワー半導体としても重要で、その役割は別の記事で扱っています。
光半導体とシリコンフォトニクスはどう違うのか
光半導体とよく似た言葉に「シリコンフォトニクス」があります。両者の関係を整理しておきましょう。
光半導体は、電気と光を変換する個々のデバイス(LEDやレーザー、受光素子)そのものを指します。一方、シリコンフォトニクスは、その光を使う仕組みをシリコンチップの上に集積し、チップとチップの間を光でつなぐ技術です。
が密集した最先端チップでは、電気の配線では速度や消費電力が限界に近づいています。そこで、チップ間のやり取りを光に置き換えようというのがシリコンフォトニクスです。つまり、光半導体が「光を出す・受ける部品」だとすれば、シリコンフォトニクスは「その光をチップに組み込んで使う技術」という関係です。詳しくは「電気の限界を光で超える、次世代チップ間通信」で扱っています。光半導体は、こうした次世代技術の土台にもなっているのです。
この記事のまとめ
- 光半導体は、電気と光を相互に変換する半導体デバイスの総称。
- 電気を光に変える発光素子(LED・半導体レーザー)と、光を電気に変える受光素子に分かれる。
- 照明・カメラ・光通信・Blu-ray・LiDARなど、光を扱う機器の中心にある。
- シリコンは光を出すのが苦手なため、GaAs・GaN・InPなどの化合物半導体が主役。
- 個々のデバイスが光半導体で、それをチップに集積して使う技術がシリコンフォトニクス。
この記事のまとめ
- 光半導体は、電気と光を相互に変換する半導体デバイスの総称。
- 電気を光に変える発光素子(LED・半導体レーザー)と、光を電気に変える受光素子に分かれる。
- 照明・ディスプレイ・カメラ・光通信・Blu-ray・LiDARなど、光を扱う機器の中心にある。
- シリコンは光を出すのが苦手なため、GaAs・GaN・InPなどの化合物半導体が主役。
- 個々のデバイスが光半導体で、それをチップに集積して使う技術がシリコンフォトニクス。
よくある質問(FAQ)
Q.光半導体とは何ですか?+
光半導体とは、電気と光を相互に変換する半導体デバイスの総称です。電気を光に変えるLEDや半導体レーザー(発光素子)と、光を電気に変えるフォトダイオードやイメージセンサ(受光素子)に大きく分かれます。計算や記憶を担う一般的なチップとは異なり、光を扱うことに特化した半導体です。
Q.光半導体はどこで使われていますか?+
身の回りのあらゆる場所で使われています。照明やディスプレイのLED、スマホやデジカメのイメージセンサ、光ファイバ通信で信号を送る半導体レーザーと受ける受光素子、Blu-rayやレーザープリンタ、リモコンの赤外線、車の距離センサ(LiDAR)など、光を出したり受けたりする機器の中心にあります。
Q.なぜ光半導体はシリコンではないのですか?+
シリコンは光を効率よく出せないためです。光半導体には、ガリウムヒ素(GaAs)や窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)といった化合物半導体が主に使われます。これらは電気を光に変える効率が高く、出す光の色(波長)も材料の組み合わせで調整できます。シリコンは計算は得意でも、光を出すのは苦手なのです。
Q.光半導体とシリコンフォトニクスの違いは何ですか?+
光半導体は、電気と光を変換する個々のデバイス(LEDやレーザーなど)を指します。一方シリコンフォトニクスは、その光を使う仕組みをシリコンチップの上に集積し、チップ間を光でつなぐ技術です。光半導体が『光を出す・受ける部品』だとすれば、シリコンフォトニクスは『その光をチップに組み込んで使う技術』という関係です。
用語集
- トランジスタ/ transistor
- 電気のスイッチ。オン/オフで「0と1」を表し、計算と記憶の最小単位になる。
- データセンター/ data center
- 大量のサーバーをまとめて置き、24時間動かし続ける施設。クラウドやAIの計算はここで行われる。
参考資料・引用元
- 光半導体(LED/レーザーダイオード/受光素子)の基礎調査会社研究機関/媒体集計(2025)— 使用箇所: 電気を光に変えるLED/半導体レーザー、光を電気に変える受光素子(フォトダイオード/イメージセンサ)・化合物半導体(GaN/GaAs/InP)が主役https://www.nichia.co.jp/jp/about_nichia/
この記事をシェア
次に読む
コメント
GitHub アカウントでログインしてコメントできます。