買収でも経営統合でもなく、事実上のライバル企業とつながる会社が、株を1株も動かさずに国内屈指の半導体メーカーの筆頭株主に浮上した——という珍しい出来事です。何が起きたのか、なぜそんなことが起きるのか、そしてどんなリスクが指摘されているのかを順番に整理します。あわせて、東芝メモリの分社から今日に至る資本構成の変遷と、今後起こりうる展開も掘り下げます。
キオクシアという日本の半導体メモリ会社の「一番大きな株主」が、2026年8月10日に東芝から、ライバル企業SK hynixとつながりのある投資会社BCPE Pangea Cayman2に入れ替わりました。ただしこの投資会社が新たに株を買い増したわけではありません。東芝がキオクシア株の一部を売って持ち分を減らした結果、順位が自動的に入れ替わっただけです。それでもキオクシアは、ライバル企業が事実上の大株主になったことを「利益相反のリスク」として自ら公表しています。東芝の保有比率は上場直前の40.64%から2026年8月には14%台まで下がり続けており、この2年弱の推移をたどると今回の逆転の必然性が見えてきます。
構造で言うと(投資家向け)も見る
2026-08-10付の適時開示(大量保有報告書の提出に基づく異動)で、BCPE Pangea Cayman2(77,400,000株・議決権14.19%)が第2位から筆頭株主に浮上。東芝は79,028,900株・14.48%(7/31時点)→77,038,200株・14.12%(8/3時点)へ約199万株減少し第2位に後退。東芝の保有比率は上場直前の2024年11月時点で40.64%あり、2026年2月に20.85%、7月に15.1%と段階的に売却してきた末の逆転である。一方BCPE Pangea Cayman2は2018年の設立以来77,400,000株のまま一切動いていない。Bloombergおよびキオクシア自身の有価証券届出書によれば、SK hynixは同SPCの議決権のほぼ全てに転換可能な社債を保有し、2028年まで当社の合意なく議決権比率15%超を保有しない合意がある。キオクシアは年次報告書でこれを利益相反リスクと明記している。
何が起きたのか——SK hynix系SPCが14.19%で筆頭株主に
キオクシアは2026年8月10日、「主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」という適時開示を公表しました。きっかけは、BCPE Pangea Cayman2, Ltd.が大量保有報告書(変更報告書——株式を5%超保有する株主が保有比率を変更した際に関東財務局へ提出する法定書類)を同日付で提出したことです。
開示によると、ケイマン諸島の投資目的の株式保有会社であるBCPE Pangea Cayman2は、77,400,000株・議決権比率14.19%を保有しています。この株数・比率は異動の前後で変化していません。変わったのは順位だけで、従来の第2位株主から、キオクシアの筆頭株主に浮上しました。
東芝メモリから分社化した経緯を持つ「キオクシア」にとって、外部の投資会社が単独で株主構成の首位に立つのは今回が初めてです。発行済株式総数は546,086,290株(2026年3月31日現在)で、BCPE Pangea Cayman2の14.19%はこの母数に対する比率です。
なぜ1株も動かさずに筆頭株主になれたのか
東芝の保有株数は、2026年7月31日時点で79,028,900株・議決権比率14.48%でした。ところが8月3日時点では77,038,200株・14.12%まで減っています。差し引き約199万株(正確には1,990,700株)を、東芝がこの間に手放した計算です。
一方のBCPE Pangea Cayman2の保有株数・比率は、この期間まったく動いていません。分母となる発行済株式総数(546,086,290株)も一定のままです。つまり東芝側の分子だけが縮み、BCPE Pangea Cayman2の順位が相対的に押し上げられた——という単純な算数の結果になります。開示自体は、東芝がなぜ株式を売却したのかという理由には触れていません。
キオクシアはどんな道のりをたどってきたのか——東芝メモリの分社から上場まで
今回の逆転は、8月の数週間だけで起きた出来事ではありません。東芝メモリの分社から数えて9年に及ぶ資本構成の変遷の、いまのところの到達点です。
発端は2017年2月、東芝が自社のメモリ・SSD事業を引き継ぐ子会社として旧東芝メモリ株式会社を設立したことにさかのぼります。同年9月28日、東芝はBain Capital主導の投資連合との売却交渉で正式合意し、SK hynixが取締役会で投資計画を承認しました。この時点での議決権構成は、Bain連合側49.9%・東芝40.2%・HOYA9.9%です。
SK hynixは連合の一員として合計395億円を投資しました。うち129億円は転換社債(将来的に最大15%の議決権取得を可能にする社債)で、残り266億円はBainが設立するファンドへの出資という形です。
取引は2018年6月1日にクロージング(契約完了)し、Dechertによれば総額180億ドル規模のディールでした。東芝は旧東芝メモリの全株式をBain Capital Private Equity, L.P.(そのグループを含む)へ譲渡しています。
2019年3月1日には持株会社体制に移行しました。東芝・HOYA・Bain側の投資会社(BCPE Pangea Cayman, L.P.とBCPE Pangea Cayman2, Ltd.)の間で株主間契約を締結しています。この時点ですでに、SK hynixの転換社債の受け皿となるBCPE Pangea Cayman2は独立したエンティティとして存在していました。同年10月1日、社名が「東芝メモリ」から「キオクシア」へ変わりました。
そして2024年11月8日、東証上場に向けた開示資料を提出した時点で、東芝の保有比率は40.64%でした。「キオクシアが2024年12月に東証プライムへ上場」した後も、東芝は保有株を段階的に売り続けます。今回の筆頭株主交代は、この売却が積み重なった結果です。
保有割合はどう変わってきたのか——東芝とSK hynix系SPCの推移
東芝の保有比率と、BCPE Pangea Cayman2の保有比率を時点ごとに並べると、対照的な動きがはっきり見えます。
| 時点 | 東芝の保有比率 | BCPE Pangea Cayman2の保有比率 |
|---|---|---|
| 2017年9月28日(Bain連合との合意時点) | 40.2%(Bain連合全体は49.9%) | コンソーシアムに包含(単独の数値なし) |
| 2024年11月8日(上場直前) | 40.64% | 14.96%(77,400,000株) |
| 2026年2月24日 | 20.85% | 変わらず |
| 2026年3月17日 | 19.61% | 変わらず |
| 2026年5月11日 | 16.1% | 変わらず |
| 2026年7月15日 | 15.1% | 変わらず |
| 2026年8月3日 | 14.12%(適時開示ベース)/14.06%(大量保有報告書ベース) | 14.19%(77,400,000株) |
(出典:2024年11月の有価証券届出書、キオクシアの適時開示、日本経済新聞の各報道。8月3日時点の東芝の数値に約0.06ポイントの差があるのは、適時開示と大量保有報告書で比率の算出基準がわずかに異なるためです。)
東芝は上場直前の40.64%から、わずか1年9か月で14%台まで、実に26ポイント分の株式を手放しました。2026年2月24日から3月17日には約605万株(約1300億円相当)を、6月22日から7月15日には4回に分けて、7月15日から8月3日にはさらに7回に分けて、市場内で継続的に売却しています。売却理由は各回の開示で明かされていません。
対照的に、BCPE Pangea Cayman2の保有株数は2018年の設立以来77,400,000株のまま一切変わっていません。比率が14.96%から14.19%へわずかに下がっているのは、株を手放したからではなく、発行済株式総数そのものが増えたためです。東芝だけが動き、SK hynixの受け皿だけが動かない——この非対称な構図が、9か月余りをかけて今回の逆転を生み出しました。
なお、ベインキャピタルは2026年7月上旬、キオクシアが2024年末に上場して以来最後となるブロックセールを完了し、直接保有していた中核的な普通株式持分をすべて処分したと報じられています。つまり現在キオクシアの株主名簿に残るベイン関連のエンティティは、SK hynixの投資が紐づくBCPE Pangea Cayman2だけです。ベイン自身の投資回収はほぼ終わり、後に残ったのはSK hynixの持分を代理する器だった、という整理になります。
BCPE Pangea Cayman2とはどんな会社か
BCPE Pangea Cayman2, Ltd.は、ケイマン諸島に登記された投資目的の株式保有会社です。この種の会社はSPC(特別目的会社——特定の投資や取引だけを目的に作られる会社)と呼ばれます。同社は2018年、Bain Capital主導の買収コンソーシアムに「SK hynix」が参加する際の受け皿として設立されました。当時のコンソーシアムは、東芝メモリ(現キオクシア)の買収に参加した投資家連合です。
キオクシア自身の有価証券届出書によれば、SK hynixはBCPE Pangea Cayman2の転換社債を保有しています。転換社債とは、一定の条件を満たすと株式に転換できる社債のことです。普段は「貸したお金」ですが、条件を満たすと「株式」に変わります。
この転換社債を株式に転換すれば、SK hynixはBCPE Pangea Cayman2の議決権(株主総会での議決に参加する権利)のほぼ全てを握れる立場にあります。つまりBCPE Pangea Cayman2は、名目上は独立した投資会社ですが、実質的にはSK hynixの持分を代理する器という位置づけです。
なぜ「利益相反リスク」と呼ばれるのか
利益相反とは、ある立場の人や会社が別の利害を同時に抱え、両者の利益がぶつかり合う状態を指します。今回のケースでは、キオクシアの経営を左右しうる大株主の議決権が、事実上のライバル企業に握られている点がこれに当たります。
キオクシアは自社の有価証券届出書および年次報告書で、この構図を「潜在的な利益相反を伴うリスク要因」と明記しています。理由は明快です。SK hynixは型フラッシュメモリでキオクシアと直接競合する関係にあります。それにもかかわらず、大株主として技術ロードマップや価格戦略など、本来なら競合相手に知られたくない経営情報にアクセスしうる立場に立つことになるためです。
NANDのような半導体の種類分けそのものは、「半導体の種類と材料」で基礎から解説しています。
SK hynixがメモリ市場でどれほどの存在感を持つに至ったかは、「26年ぶりに首位が入れ替わった。SK hynixがSamsungを抜き韓国最大の企業になった理由」で解説しています。単なる資本参加にとどまらない存在感の大きさが、今回のリスクの重みを増しています。
SK hynixは今後15%を超えて保有できるのか——2028年までの合意
キオクシアの有価証券届出書によれば、SK hynixはキオクシアの承認がない限り、2028年まで議決権比率を15%以下に保つことに合意しています。今回のBCPE Pangea Cayman2の比率は14.19%で、この上限まで残りわずか0.81ポイントです。東芝側の追加売却が続けば、SK hynixが1株も動かさなくても比率がさらに上昇し、上限に近づく可能性があります。
同じ届出書は、SK hynixが本書提出日(2024年11月8日)までの間、転換社債の株式への転換を行っていないと記載しています。一方で「各国の独占禁止法並びに外国為替及び外国貿易法に基づく必要な手続を開始している可能性がある」とも記しています。その手続きの完了をもっていつでも転換が可能になり、「そのような転換を早期に行うことも合理的に予測される」としています。つまり転換が起こりうること自体は、キオクシア自身がすでに投資家向けに注意喚起している事項です。
今後どのようなことが起きうるのか——3つのシナリオと注意点
ここから先は、確定した事実ではなく、公表されている情報から考えられる可能性の整理です。**株価や投資判断を示すものではなく、将来を保証する予測でもありません。**それぞれのシナリオには前提条件と不確実性があり、実際にどう転ぶかは現時点で分かりません。
シナリオ1:転換社債が株式に転換され、SK hynixが直接株主として登場する 前提は、独占禁止法・外国為替法上の手続きが完了することです。キオクシア自身が届出書で「早期の転換も合理的に予測される」と記しているため、可能性としては現実味があります。ただし転換が実現しても、2028年までの合意により議決権比率は15%以下に制限されたままです。転換の具体的な時期は、本記事の執筆時点で開示されていません。
シナリオ2:東芝の売却が続き、SK hynix系SPCとの差がさらに開く 前提は、東芝が2026年に見せてきた売却ペース(1年足らずで20%台から14%台へ)が今後も続くことです。東芝の売却理由や最終的な保有目標水準は、これまでの開示で示されていません。売却が鈍化・停止する可能性も同様に残っています。
シナリオ3:15%上限の合意と規制上の制約により、現状の構造が当面固定化される 前提は、2028年までの合意が延長されずそのまま維持されることです。競合企業による大株主化は、日本の経済安全保障や独占禁止法の枠組みで審査対象になりうる論点ですが、実際に当局がどう動くかは未確認です。この場合、BCPE Pangea Cayman2は「議決権を行使しない筆頭株主」という位置づけのまま推移することになります。
3つのシナリオはいずれも排他的ではなく、組み合わさって進む可能性もあります。いずれの場合も、SK hynixとの間の合意内容そのものは今回の開示や有価証券届出書で確認できる事実ですが、その先の展開は複数の道筋がありうる、という留保つきで読んでください。
なお、キオクシアは今回の異動とは別に、2026年5月15日、米国預託株式(ADS)の米国上場準備を開示済みです。「米国上場申請」の経緯は別記事で詳しく扱っていますが、今回の筆頭株主異動との間に公式な因果関係が示された事実はありません。両者はあくまで同時期に進行している別の出来事として押さえておく必要があります。
この記事のまとめ
- 2026年8月10日、筆頭株主が東芝からSK hynix系のBCPE Pangea Cayman2(14.19%)に交代した。株数を動かさない東芝側の売却による受動的な逆転である。
- 東芝の保有比率は、上場直前の2024年11月時点で40.64%あった。そこから2026年2月に20.85%、7月に15.1%、8月3日に14.12%と、1年9か月かけて段階的に売却が進んだ。
- BCPE Pangea Cayman2は2018年設立以来77,400,000株のまま動いていない。ベインキャピタル自身の直接保有分は2026年7月にすでに完売済みである。
- SK hynixは転換社債を通じてBCPE Pangea Cayman2のほぼ全議決権に転換できる立場にあり、キオクシアは自社の届出書・年次報告書でこれを利益相反リスクと位置づけている。
- SK hynixは2028年までキオクシアの承認なしに議決権比率を15%超に引き上げない合意があるが、転換社債の早期転換も「合理的に予測される」と自社の届出書に記している。
出典
- キオクシア「主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」(2026年8月10日・適時開示)
- Bloomberg「Kioxia Says Investment Vehicle for SK Hynix Is Top Shareholder」(2026年8月11日)
- キオクシアホールディングス 有価証券届出書(新規公開時)(2024年11月8日・EDINET)
- SK hynix Newsroom「Board Approved a Plan to Invest in Toshiba Memory Corporation」(2017年9月28日)
- Dechert「SK hynix in US$18 Billion Acquisition of Toshiba's Memory-Chip Unit」(2018年6月)
- 日本経済新聞「キオクシア株、東芝の保有割合2割未満に 約1300億円追加売却」(2026年3月)
- 日本経済新聞「東芝、キオクシア株の保有比率が低下 15%に」(2026年7月23日)
- 日本経済新聞「決算:キオクシアHD、ベイン運営のSPCが筆頭株主に 東芝の株式売却で」(2026年8月10日)
- TradingKey「SKハイニックス関連会社がキオクシアの筆頭株主に、東芝は保有比率を14.12%に引き下げ」(2026年8月)
- Bloomberg(日本語版)「Kioxia to seek US listing of American depositary shares」(2026年5月15日)
この記事のまとめ
- 2026年8月10日、キオクシアの筆頭株主が東芝からSK hynix系の投資会社BCPE Pangea Cayman2(14.19%)に代わった。BCPE Pangea Cayman2は株数・比率を一切変えておらず、東芝の売却による受動的な逆転である。
- 東芝の保有比率は、上場直前の2024年11月時点で40.64%あった。そこから2026年2月に20.85%、7月に15.1%、8月3日に14.12%と、1年9か月かけて段階的に売却が進んだ。
- BCPE Pangea Cayman2は2018年設立以来77,400,000株のまま一度も動いていない。ベインキャピタルは2026年7月に自身の直接保有分を完全に売却済みで、いま残るベイン系エンティティはSK hynixの受け皿であるこの1社だけである。
- SK hynixは転換社債を通じてBCPE Pangea Cayman2のほぼ全議決権に転換できる立場にあり、キオクシアは自社の届出書・年次報告書でこれを利益相反リスクと位置づけている。
- SK hynixは2028年までキオクシアの承認なしに議決権比率を15%超に引き上げない合意があるが、届出書は転換社債の早期転換も「合理的に予測される」と記す。今後の展開には複数の可能性があり、確定した予測ではない。
よくある質問(FAQ)
Q.キオクシアの筆頭株主は誰になった?+
2026年8月10日付の適時開示により、SK hynix系の投資会社BCPE Pangea Cayman2, Ltd.(77,400,000株・議決権比率14.19%)が、従来筆頭株主だった東芝(77,038,200株・14.12%)を上回り、キオクシアの筆頭株主になりました。
Q.SK hynixはキオクシア株を買い増したの?+
いいえ。BCPE Pangea Cayman2の保有株数・比率は異動の前後で変化していません。東芝が保有株の一部(約199万株)を売却して比率を14.48%から14.12%へ下げたことで、相対的にBCPE Pangea Cayman2の順位が上がった受動的な逆転です。
Q.利益相反リスクとは何?+
SK hynixはNAND型フラッシュメモリでキオクシアと直接競合しています。その競合相手が実質的な大株主として議決権を握る構図を、キオクシアは自社の年次報告書で「潜在的な利益相反を伴うリスク要因」と位置づけていると報じられています(Bloomberg)。
Q.SK hynixは今後もキオクシア株の比率を上げられるの?+
Bloombergによると、SK hynixは2028年まで、キオクシアの承認がない限り議決権比率を15%以下に保つ合意をしています。現在の14.19%はこの上限に近い水準で、東芝側の追加売却があれば比率がさらに上がる可能性はありますが、SK hynix自身の買い増しは制約されています。
Q.東芝の保有比率はいつからどのくらい下がったの?+
キオクシアが東証プライムへ上場する直前の2024年11月8日時点で、東芝の保有比率は40.64%でした。そこから2026年2月に20.85%、7月に15.1%、8月3日に14.12%と段階的に売却が進み、約1年9か月で26ポイント分の株式を手放しています。売却理由はこれまでの開示で示されていません。
Q.BCPE Pangea Cayman2の保有比率が下がっているのはなぜ?+
保有株数77,400,000株は2018年の設立以来一度も変わっていません。比率が14.96%(2024年11月時点)から14.19%(2026年8月時点)へ下がったのは、株を売ったからではなく、発行済株式総数そのものが増えたためです。
Q.今後どうなる可能性があるの?+
これは確定した予測ではありませんが、公表情報から考えられる道筋として、(1)転換社債が株式に転換されSK hynixが直接株主になる、(2)東芝の売却が続き比率差がさらに開く、(3)15%上限の合意と規制上の制約で現状の構造が当面固定化される、という3つのシナリオが考えられます。いずれも前提と不確実性があり、投資判断の根拠とするものではありません。
用語集
- NAND(NANDフラッシュ)/ NAND flash
- 電源を切ってもデータが消えない記憶装置。SSDやスマホのストレージに使われる。
参考資料・引用元
- 主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ一次情報株式会社キオクシアホールディングス(適時開示・一次情報)(2026-08-10)— 使用箇所: BCPE Pangea Cayman2, Ltd.(ケイマン諸島の投資目的の株式保有会社)が77,400,000株・議決権比率14.19%で従来の第2位株主から筆頭株主に異動(保有株数・比率は異動前後で不変)。東芝は異動前(2026年7月31日現在)79,028,900株・14.48%→異動後(8月3日時点)77,038,200株・14.12%で第2位に後退(約199万株減少)。発行済株式総数546,086,290株(2026年3月31日現在)。開示のきっかけは2026年8月10日付で大量保有報告書(変更報告書)が関東財務局に提出されたこと。開示自体は東芝の売却理由には言及していないhttps://ssl4.eir-parts.net/doc/285A/tdnet/2870704/00.pdf
- Kioxia Says Investment Vehicle for SK Hynix Is Top Shareholder報道Bloomberg(2026-08-11)— 使用箇所: BCPE Pangea Cayman2は2018年、Bain Capital主導の買収コンソーシアムに参加したSK hynixの受け皿として設立され、SK hynixは同SPCの議決権のほぼ全てに転換できる社債を保有(キオクシアの年次報告書の記載として報道)。キオクシアは年次報告書でこれを『潜在的な利益相反を伴うリスク要因』と記載(SK hynixはNANDで直接競合するため)。SK hynixはキオクシアの承認がない限り2028年まで議決権比率を15%以下に保つことに合意(2018年の出資額は媒体間で数値が不一致のため本記事では不使用)https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-08-11/kioxia-says-investment-vehicle-for-sk-hynix-is-top-shareholder
- Kioxia to seek US listing of American depositary shares報道Bloomberg(日本語版)(2026-05-15)— 使用箇所: キオクシアが2026年5月15日、米国預託株式(ADS)の米国上場準備を開示。河村副社長は2026年6月25日、上場時期の目標を『来年度初頭』と発言(同じくBloomberg報道)。本記事では筆頭株主異動とは別件の事実として、因果関係を主張せずに併記するhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2026-05-15/TF2FU7KGZAKT00
- 有価証券届出書(新規公開時)一次情報キオクシアホールディングス株式会社(一次・EDINET)(2024-11-08)— 使用箇所: 本書提出日(2024-11-08)現在、東芝が発行済普通株式の40.64%を保有。ベインキャピタルグループが投資助言するファンドの4エンティティ(BCPE Pangea Cayman, L.P. / 1A, L.P. / 1B, L.P. / Cayman2, Ltd.)合計で総株主議決権の56.23%、HOYAが3.13%を保有。BCPE Pangea Cayman2, Ltd.は普通株式77,400,000株(本書提出日現在の発行済普通株式数の14.96%)を保有し、SK hynixは同エンティティのほぼ全ての議決権に転換可能な社債を保有。SK hynixは当社の合意がない限り2028年まで総議決権数の15%超を保有しない旨合意しており、本書提出日現在まで転換を行っていないが、独禁法・外為法上の手続き完了後はいつでも転換可能で早期転換も合理的に予測されると記載。沿革:旧東芝メモリ株式会社は2017年2月に東芝の100%子会社として設立、2018年6月に東芝が全株式をBain Capital Private Equity, L.P.(グループ含む)へ譲渡、2019年3月1日付で持株会社体制へ移行しBCPE Pangea Cayman, L.P.・BCPE Pangea Cayman2, Ltd.・東芝・HOYA・東芝メモリの間で株主間契約締結、2019年10月1日にキオクシアへ改称https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100UOKQ.pdf
- SK hynix Inc.'s Board Approved a Plan to Invest in Toshiba Memory Corporation一次情報SK hynix Newsroom(一次)(2017-09-28)— 使用箇所: 2017年9月28日付でSK hynix取締役会が投資計画を承認したと公表。Bain Capital主導コンソーシアム(SK hynix含む)が旧東芝メモリの49.9%を保有し、東芝40.2%・HOYA9.9%という合意時点の議決権構成。SK hynixは合計395億円(4兆ウォン)を投資し、うち129億円を転換社債(将来的に最大15%の議決権取得を可能にする)、残り266億円をBain設立ファンドへの出資(有限責任者)として拠出。コンソーシアム全体の投資規模は2兆円。2018年3月までのクロージングを目指すと記載https://news.skhynix.com/sk-hynix-inc-s-board-approved-a-plan-to-invest-in-toshiba-memory-corporation-2/
- Dechert Advises SK hynix Inc. in US$18 Billion Acquisition of Toshiba's Memory-Chip Unit報道Dechert LLP(法律事務所・専門メディア)(2018-06)— 使用箇所: 旧東芝メモリの買収取引が2018年6月1日にクロージング(完了)したと記載。総額180億ドル規模のディールで、SK hynixは転換社債とファンド出資を組み合わせた資金拠出構造を採用https://www.dechert.com/knowledge/news/2018/6/dechert-advises-sk-hynix-inc--in-us-18-billion-acquisition-of-to.html
- キオクシア株、東芝の保有割合2割未満に 約1300億円追加売却報道日本経済新聞(2026-03)— 使用箇所: 東芝が2026年2月24日〜3月17日に約605万株(終値ベースで約1300億円相当)を市場内で売却し、大量保有報告書ベースの保有比率が20.85%→19.61%(2割未満)に低下したと報道https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB256YC0V20C26A3000000/
- 東芝、キオクシア株の保有比率が低下 15%に報道日本経済新聞(2026-07-23)— 使用箇所: 東芝の大量保有報告書ベースの保有比率が2026年5月11日時点16.1%→7月15日時点15.1%に低下。6月22日〜7月15日に4回の市場内売却を実施したと報道https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB237TD0T20C26A7000000/
- 決算:キオクシアHD、ベイン運営のSPCが筆頭株主に 東芝の株式売却で報道日本経済新聞(2026-08-10)— 使用箇所: 東芝の大量保有報告書ベースの保有比率が15.10%→14.06%に低下し、BCPE Pangea Cayman2(14.19%・7740万株)が筆頭株主に浮上したと報道。この14.06%はキオクシアの適時開示(TDnet)が示す14.12%とは算出基準がわずかに異なる数値であることに注意https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1053I0Q6A810C2000000/
- SKハイニックス関連会社がキオクシアの筆頭株主に、東芝は保有比率を14.12%に引き下げ報道TradingKey(2026-08)— 使用箇所: ベインキャピタルは2026年7月上旬、キオクシアが2024年末に上場して以来最後となるブロックセールを完了し、直接保有していた中核的な普通株式持分を正式に全て処分したと報道。残るベイン関連エンティティはSK hynixの受け皿であるBCPE Pangea Cayman2のみである点を指摘https://www.tradingkey.com/jp/analysis/stocks/us-stocks/262094462-kioxia-largest-shareholder-skhynix-14-19-percent-toshiba-stake-cut-14-12-percent-tradingkey
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