海底ケーブルとは、大陸間を海の底で結ぶ光ファイバーの通信ケーブルです。国際インターネット通信の大半は、衛星ではなくこのケーブルを通っています。だからデータセンターをどこに建てるかは、この「海の底の線」にどれだけ近いかで決まります。

クラウドもAIも、世界中とデータをやり取りして成り立っています。その通信を物理的に支えているのが海底ケーブルです。この記事では、海底ケーブルとは何か、なぜ立地を左右するのかをやさしく解きます。立地条件の全体像は「データセンターはどこに建てられるか」で扱っています。

ひとことで言うと(初心者向け)

インターネットは空(衛星)ではなく、ほとんど海の底のケーブルを通っています。ケーブルが海から陸に上がる場所の近くにデータセンターを建てると、通信が速くて安定します。だから立地はケーブル次第なのです。

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構造で言うと(投資家向け)

国際通信の物理層は海底ケーブルが独占し、陸揚げ局近接がレイテンシ優位を生みます。ケーブル新設・陸揚げ局・IX(相互接続点)が立地価値を決め、切断リスクと一本依存は地政学テーマ。NEC等の敷設プレイヤーと、ハブ地域のデータセンター用地が論点です。

海底ケーブルとは何か

海底ケーブルとは、大陸と大陸を海の底で結ぶ光ファイバーの通信ケーブルです。意外に思われますが、国際インターネット通信の大半はこの海底ケーブルが担っており、衛星通信が運ぶ割合はごくわずかです。

初心者向け
「ネットは衛星でつながっている」と思われがちですが、実際は海の底のケーブルがほとんどです。世界中のデータが、この細い線の束を通って行き来しています。

クラウドサービスやAIが国境を越えてデータをやり取りするとき、その大部分はこの海底ケーブルを通ります。つまり海底ケーブルは、現代のインターネットの背骨です。

なぜ海底ケーブルが立地を左右するのか

データの応答速度(レイテンシ)は、物理的な距離に縛られます。光ファイバーの中を進む光の速さには限界があるため、距離が遠いほど通信に時間がかかります。

ここで重要になるのが、海底ケーブルが陸に上がる「陸揚げ局」です。陸揚げ局の近くにを置くほど、世界とのやり取りが速く、安定します。そのため陸揚げ局やインターネット相互接続点(IX)の周辺は、データセンターの一等地になります。電力や水と並んで、通信もまた立地の決定要因なのです(Data Center Dynamics)。

海底ケーブルにはどんなリスクがあるのか

海底ケーブルは、いくつものリスクにさらされています。漁船の網や錨による損傷、海底地震、そして近年は意図的な切断(妨害)の懸念が高まっています。

ケーブルが特定の海域に集中していたり、ある地域が1本のケーブルに大きく依存していたりすると、切断時に通信が大きく乱れます。これは「通信の地政学リスク」として注目され、半導体をめぐる地政学と地続きの安全保障問題になっています。

日本は海底ケーブルでどんな位置づけなのか

日本は、太平洋を渡るケーブルの重要な接続点であり、アジアと北米を結ぶハブの一つです。また、NECは海底ケーブルの敷設で世界有数の存在です。

この地理的な優位は、アジアのデータセンター立地として日本が選ばれる理由の一つになっています。そもそも電力・水・通信という条件がそろう場所は限られており、日本はそのいくつかを満たします。電力面の事情は「AIデータセンターと電力危機」で扱っています。なお本記事は投資助言ではありません。

この記事のまとめ

  • 海底ケーブルは大陸間を海底で結ぶ光ファイバー。国際インターネット通信の大半を担い、衛星はごくわずか。
  • 応答速度(レイテンシ)は距離に縛られるため、ケーブルが陸に上がる陸揚げ局の近くが好立地になる。
  • 錨や地震、意図的な切断のリスクがあり、1本依存や集中海域は通信の地政学リスクになる。
  • 日本は太平洋ケーブルの重要な接続点でNECが世界有数。地理的優位がアジアの立地として選ばれる理由の一つ。
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よくある質問(FAQ)

Q.海底ケーブルとは何ですか?+

海底ケーブルとは、大陸間を海の底で結ぶ光ファイバーの通信ケーブルです。国際インターネット通信の大半がこのケーブルを通っており、衛星通信が担う割合はごくわずかです。クラウドやAIの国際的なデータのやり取りは、事実上この海底ケーブルが支えています。

Q.なぜ海底ケーブルがデータセンターの立地を左右するのですか?+

データの応答速度(レイテンシ)は物理的な距離に縛られます。海底ケーブルが陸に上がる「陸揚げ局」の近くにデータセンターを置くほど、世界とのやり取りが速く安定します。そのため陸揚げ局の周辺は、データセンターの好立地になります。

Q.海底ケーブルにはどんなリスクがありますか?+

漁船の網や錨、海底地震、そして近年は意図的な切断(妨害)のリスクが指摘されています。ケーブルが集中する海域や1本への依存が高い地域は、切断時に通信が大きく乱れます。これが通信の地政学リスクとして注目されています。

Q.日本は海底ケーブルでどんな位置づけですか?+

日本は太平洋を渡るケーブルの重要な接続点で、アジアと北米を結ぶハブの一つです。NECは海底ケーブル敷設で世界有数の存在です。この地理的優位は、アジアのデータセンター立地として日本が選ばれる理由の一つになっています。

用語集

海底ケーブル/ submarine cable
海の底に敷かれた光ファイバーで、国際通信の大半を運ぶ。陸揚げする場所(陸揚局)の近くは通信が速い。
データセンター/ data center
大量のサーバーをまとめて置き、24時間動かし続ける施設。クラウドやAIの計算はここで行われる。
ハイパースケール/ hyperscale
クラウド大手(Google・Amazon・Microsoftなど)が運営する超大規模なデータセンター。

参考資料・引用元

  1. The evolving role of cable landing stations in a hyperconnected world報道
    Data Center Dynamics(DCD)(2024)— 使用箇所: 海底ケーブルの陸揚局への近接が低遅延・省エネ・高接続性に有利で、立地選定の重要因子
    https://www.datacenterdynamics.com/en/opinions-data-center-dcd-industry-views-comment/the-evolving-role-of-cable-landing-stations-in-a-hyperconnected-world/
  2. Data Centers: Site Selection 101報道
    Site Selection Magazine(2024)— 使用箇所: 立地条件の総覧:電力(最重要)・水・光ファイバー・地盤/地質(断層・地震履歴)の評価
    https://siteselection.com/data-centers-site-selection-101/

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