ASMLジャパンは2026年9月3日、社員数を現在の約500人から2030年度をめどに約700人へ、4割ほど増やす方針を明らかにしました。北海道千歳のRapidus拠点に常駐する人員も、2027年までに倍増させる計画です。

半導体の最先端露光装置を独占的に供給する「1台数百億円。この1社がなければ最先端チップは作れない」ASMLにとって、日本市場の重みが増しています。露光装置が半導体製造のどの工程を担うかは「半導体とは、電気を「通す・通さない」を切り替えられる物質——それだけの性質が世界を動かしている」で解説していますが、今回はその供給側であるASMLの日本法人ASMLジャパンの、大幅な増員計画です。

ひとことで言うと(初心者向け)

ASMLは、最先端の半導体を作るのに欠かせない特殊な装置(露光装置)を作っている会社です。この装置は非常に複雑で、導入後も専門スタッフが常にそばで調整・修理を続ける必要があります。ASMLの日本法人は、その専門スタッフを大幅に増やすと発表しました。背景には、日本のRapidusが北海道千歳で最先端チップの量産を始めようとしていることがあります。

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構造で言うと(投資家向け)

ASMLジャパンが社員数を約500人→約700人(2030年度目途、約4割増)へ拡充する方針を表明(2026年9月3日記者説明会)。増員の主体はカスタマーサポート人員。Rapidus千歳拠点の常駐人員も2027年の2nm量産本格化に向け30人弱→50〜60人規模へ倍増計画。日本売上比率はASML全体の約5%(2026年9月時点)。Micron広島EUV導入・産総研High-NA EUV導入も進行中で、日本向け装置投資の積み上げが継続している。

ASMLジャパンはなぜ増員方針を打ち出したのか

ASMLジャパンは2026年9月3日に記者説明会を開き、社員数を現在の約500人から2030年度をめどに約700人へ拡充する方針を明らかにしました。増員する約200人の大半は、装置の稼働を現場で支えるカスタマーサポート人員が占める見通しです。

装置は、導入して終わりではありません。日々の調整・部品交換・トラブル対応まで、専門スタッフが継続的に付き添う必要がある精密機械です。ASMLジャパンの増員は、日本国内で稼働する装置の台数そのものが増えている裏返しだと言えます。

千歳拠点の常駐人員が倍増する背景に何があるのか

北海道千歳のRapidus拠点に常駐する人員は、現在の30人弱から2027年までに50〜60人規模へ倍増させる計画です。

Rapidusは、ASMLの露光装置を使って2025年4月から2nmのパイロット生産(少量の試験生産)を始めています。日本の2nm量産計画については「日本の2nmに国費2兆円が動いた——Rapidusに足りないのは金ではなかった」で扱いましたが、2027年に量産が本格化する見通しにあわせて、現地サポート体制を厚くする狙いです。EUV装置は365日24時間体制でのサポートが求められるため、量産規模が拡大すれば必要な人員も比例して増えます。

初心者向け
EUV装置は非常に繊細で、少しの調整ミスも許されません。常に専門スタッフがそばで見守る体制が必要で、量産が本格化するほど、そのスタッフの数も増やす必要があるのです。

日本の売上高がASML全体の5%に達した要因は何か

日本のは、2026年9月の記者説明会時点でASMLグループ全体の約5%を占めます。Rapidus向けの装置供給に加え、Micron広島へのEUV露光装置導入、産業技術総合研究所(産総研)への高NA EUV露光装置導入など、日本国内でのEUV関連投資が積み上がっていることが背景にあります。

「1台400億円。最先端チップを生む露光装置とASMLの独占」で扱ったように、EUV露光装置はもともと1台数百億円という高額な設備です。日本国内での導入が広がれば、売上比率だけでなく、ASMLジャパンが担うサポート業務の総量も増えていくことになります。

高NA EUVの日本投入はいつになるのか

次世代のHigh-NA EUVについては、産業技術総合研究所への導入が進められている段階にあり、2026年9月時点でRapidusの量産ラインへの本格投入時期は確定していません。まずは2nm世代をEUV露光装置で立ち上げ、その先の世代でHigh-NA EUVへ移行していく見通しです。

ASMLジャパンの増員計画は、この移行を見据えた布石とも言えます。日本国内での装置台数とサポート需要が今後どこまで積み上がるかは、Rapidusの量産進捗と、Micron広島をはじめとする他の顧客の投資動向次第です。

この記事のまとめ

  • ASMLジャパンは2026年9月3日、社員数を現在の約500人から2030年度をめどに約700人へ、4割増やす方針を示した。
  • 増員200人の大半は、装置の稼働を支えるカスタマーサポート人員が占める見通し。
  • Rapidusが2nm量産を本格化する2027年までに、北海道千歳拠点の常駐人員を現在の30人弱から50〜60人規模へ倍増させる計画。
  • 日本の売上高は、2026年9月時点でASMLグループ全体の約5%を占める。
  • Micron広島へのEUV露光装置導入や、産業技術総合研究所への高NA EUV露光装置導入も進んでおり、日本向けの装置投資が積み上がっている。

この記事のまとめ

  • ASMLジャパンは2026年9月3日の記者説明会で、社員数を現在の約500人から2030年度をめどに約700人へ、4割増やす方針を示した。
  • 増員200人の大半は、装置の稼働を支えるカスタマーサポート人員が占める見通し。
  • Rapidusが2nm量産を本格化する2027年までに、北海道千歳拠点の常駐人員を現在の30人弱から50〜60人規模へ倍増させる計画。
  • 日本の売上高は、2026年9月時点でASMLグループ全体の約5%を占める。
  • Micron広島へのEUV露光装置導入や、産業技術総合研究所への高NA EUV露光装置導入も進んでおり、日本向けの装置投資が積み上がっている。
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よくある質問(FAQ)

Q.ASMLジャパンは社員数をどれくらい増やす計画ですか?+

ASMLジャパンは、現在約500人の社員数を2030年度をめどに約700人へ、4割ほど増やす方針を2026年9月3日の記者説明会で示しました。増員200人の大半は、装置の稼働を支えるカスタマーサポート人員が占める見通しです。

Q.なぜ千歳拠点の常駐人員を倍増させるのですか?+

Rapidusが北海道千歳で2nmの量産を本格化させる2027年までに、常駐人員を現在の30人弱から50〜60人規模へ倍増させる計画です。RapidusはASMLのEUV露光装置を使って2025年4月から2nmのパイロット生産を始めており、EUV装置は365日24時間体制のサポートが必要なため、量産開始に合わせて現地の人員を厚くする狙いがあります。

Q.日本の売上高はASML全体のどれくらいを占めていますか?+

2026年9月の記者説明会時点で、日本の売上高はASMLグループ全体の約5%を占めるとされています。Rapidus向けの装置供給に加え、Micron広島へのEUV露光装置導入や、産業技術総合研究所への高NA EUV露光装置導入も進んでおり、日本向けの装置投資が積み上がっています。

Q.高NA EUVの日本投入はいつですか?+

2026年9月時点で、産業技術総合研究所への導入が進められている段階にあり、Rapidus量産ラインへの本格投入時期は確定していません。まずは2nm世代の量産をEUV露光装置で立ち上げ、その先の世代でHigh-NA EUVへ移行していく見通しです。

用語集

EUV/ Extreme Ultraviolet 極端紫外線
波長の短い光で微細な回路を焼き付ける最先端の露光技術。装置はASMLが独占。
露光(リソグラフィ)/ lithography
回路の原版(マスク)を通して光を当て、回路パターンをチップに転写する工程。半導体製造の心臓部。
売上高/ revenue / net sales
会社が商品やサービスを売って得た金額の合計。利益を引く前の数字。

参考資料・引用元

  1. ASMLジャパン、社員数を700人体制へ拡充 日本の重要性を強調報道
    マイナビニュース TECH+(2026-09-04)— 使用箇所: 2026年9月3日記者説明会の内容:社員数約500人→2030年度目途700人(増員200人の大半はカスタマーサポート)、日本売上比率が全体の約5%、Micron広島・産総研へのEUV導入への言及
    https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260904-4915320/
  2. ASML、千歳拠点の常駐人員を2027年までに倍増へ報道
    PC Watch(Impress)(2026-09)— 使用箇所: Rapidus千歳拠点の常駐人員が現状30人弱から2027年までに50〜60人規模へ倍増する計画、EUV装置の365日24時間サポート体制の必要性
    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/2138335.html
  3. ASMLジャパン、ラピダス千歳拠点の常駐体制を強化報道
    日経クロステック(2026-09)— 使用箇所: 千歳拠点常駐人員の倍増計画に関する裏付け(PC Watchと同時期の記者説明会に基づく報道)
    https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/10401/

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